老後の暮らしを豊かに過ごす住まい「震災を乗り越えて地域につながる絆を育む家」 | |
先代からの歴史を今に伝える大広間と外構は既存ままに、廊下部分の傷んだ床下の補修を行った。 | |
■改修後 | |
ガラス窓は宮城県の県花ミヤギノハギをモチーフに当事務所で絵を描きデザインしました。 | |
老後に備え、床はフラットに。家事動線を広く取りました。 アルフレックスでテーブルで食事をとることが出来るようなソファーを選びました。その高さに合わせたテーブルを家具職人に製作していただきました。FIXガラスの絵図は、宮城県の県花「萩」をモチーフにデザインしました。 キッチンには蠅張(食品を常温する食品庫)を組み込みました。食事スペースの側からは新聞置き場やパソコン・ipad・iphoneなどの充電スペースを確保してあります。 足元から吹出る床置き冷暖房機器を設置。建築主の暮らしに合わせた収納計画・設備計画を行ないました。 |
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■改修前 | |
設計ポイント | |
台所が雑然として使い難く、ダイニングスペースは子世帯と一緒に食事するには狭いのでリフォームをお願いしたいというご依頼でうかがいました。 冬場、冷たい北風や雪が吹きつけて室内が0℃を下回ることもあり、常に石油ストーブを焚かれていて結露が酷い状況でした。冬場は北面の外壁が雪で凍る寒い地域。長年の結露の繰り返しで窓台や、框、造作家具などに水が溜り、全体がカビなどの発生で傷んでいました。 寒さや結露を防ぐための設備や建材の検討を行いながら台所の家事動線が広すぎるのを2人から3人で同時に使用できるような範囲でコンパクトにまとめ、食事スペースを広げた設計を行いました。 室内や壁体内の改修予定でしたが、現場で解体を行ったところ、床下調査でも見ることが出来なかった部分のシロアリ被害や外壁の劣化がわかり、建築主合意のもと躯体部分の設計計画と設計図の追加を行ない、隠れた箇所で今まで知らずに過ごしてきた部分の補修工事も行うことにしました。 【冬場の結露・夏場の暑さ解消】 ・高性能断熱材を使用し充填断熱と外断熱を二重に施した。 ・下見板を通常の倍の厚みとし、壁体の環境を保つ為に通気層を設けた。 ・アルミサッシから木建具に変更し地域Ⅲに対応した断熱仕様のペアガラスで壁面の温度差で結露対策を行った。 ・内壁は調湿作用のある左官材を使用した。 ・床吹き出しの冷暖房機器や室内環境を健康に保つためのロスナイの設置。 木の好きなご主人と、あたたかい自然素材の質感が好きな奧様のため、床・壁・天井・窓まわりを木曾桧の無垢材で。壁を左官で仕上げました。 |
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建て主の希望 | |
・建て主から 祖父の代から引き継いだ住まいは大勢の来客をもてなす住まいであり、佇まいや材質にこだわりあって建てられました。 家族が暮らす生活の場は、自由に改修してほしいという先代からの意思を継ぎ、子供部屋などは自力施工で行って来ました。 しかし、台所や食堂・居間など生活の中心となる場は、現在抱えている状況の解消と意匠にもこだわりを持って作りたいと思い、依頼しました。職人だけでは考えつかないような雰囲気を持った洒落た感じの場になることが理想です。 既存の意匠から著しく逸脱しないシンプルモダンで明るく温かみのあるデザインが希望です。 お菓子作りや料理を地元の方に教えることもあるので、キッチンは広々と使い勝手の良い収納が作れたらと思います。また、家族も一緒に家事を手伝ってもらえるゆとりのあるスペースが欲しい。 性能面では、日中も薄暗いので自然光をできるだけ室内に取り入れた生活をしたい。冬場は酷い結露で収納や、窓台などでのカビの発生に悩まされていますので、結露の解消ができれば良いです。 皆が楽しめて居心地よいキッチンができれば嬉しいです。 |
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竣工後 | |
竣工から9カ月経ち、ひと冬超えました。 結露も起こらず、冬場の室内温度も朝起きた時に10度を下回ることが無いとのこと。 13度前後の温度で外気温が厳しい寒さでも、床吹き出しのエアコン一台で生活できているとのことでした。 これからも、時々ご連絡をとらせていただきながらご様子をうがかっていきたいと思います。 |
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