足利の家
「大きなダイニングテーブルのある家」

伝統的工法でしっかりとした太い柱梁で継いでいる
建物概要
・敷地面積  460.28u(139.23坪)
・延べ床面積 164.64u(49.8坪)
・木組みを生かした真壁・大黒柱のある家(柱は7寸・5寸を基準に使用している)
・外壁・内壁は左官仕上げ(漆喰)
・全て無垢材・接合部は込み栓(木栓)を使用。
・キッチンセット・家具・建具などの造作は建て主の身長・利用目的に合わせて設計し、 全て大工・建具職人による造作とした。
開発行為を行い、敷地を3分割。庭園の中を通り抜けながら玄関にアプローチするようにした。
古くからあった木々などはいったん移植し、竣工後の外構工事「庭園造り」で取り入れている。
建て主のお父様が丹精込めて育てた盆栽。季節ごとに咲く、草花や四季ごとに色合いの異なる木々が美しい。
玄関を入ると正面に坪庭と南に面するデッキが見える。
居間・食堂から南側のデッキ・庭に出ることができる。
居間は南に面しており、天気の良い日はとても明るくあたたかい。
障子を通して柔らかい日が差し込む。南北に風が流れるように窓の配置も工夫した。
ご主人の書斎。居間に隣接し、一体で使う事も可能。
机下は冬は掘りごたつとして使用することもできる。
背面は天井まで壁面全体に書棚を造付けている。
こちらのお宅では、キッチンは建て主さんの身長や、
お手持ちのキッチン用具などを考慮して設計を行っている。
シンクの天板(ステンレス)に至るまで全てを使い勝手に合わせた寸法にしている。

洗面室は洗濯機のある家事コーナーに隣接している。
家事コーナーを中心にキッチンや食堂などへ短い短い動線で回遊できるようになっている。
食堂の階段から2階へ上がると子ども部屋と予備室・主寝室・ウォークインクローゼットがあり、吹抜けから1階を見下ろせるようになっている。
また、中央に配置された階段から室内干しコーナーを抜け、吹抜けまで空気が巡回するようになっている。冬場ペレットストーブを焚いた際、全館暖房が行き渡るように計画した。
写真は主寝室から廊下と洗濯干しコーナーを見ている。収納を兼ねた4枚引き戸になっており、個室として利用する。
玄関扉(引き戸)を加工している建具職人と大工。設計図通りの桟のピッチで製作してくれています。プレカット(機械カット)せず、構造材から床材、造作材など全てを大工の手で一つ一つの材木に墨付けし丁寧に刻んで仕上げます。また、雨樋や屋根の板金も職人の手作りです。長く住み継いでいただきたい無垢の家です。
客用の玄関の奥に収納を兼ねた家族用の玄関がある。
離れの部屋。居間に面している南側のデッキ、庭に出ることができる。
■当事務所のHPに掲載している契約物件は建て主さんのご協力が得られたものを掲載させていただいております。
 工事の様子はブログをご覧ください。
2009年7月5日 大工さん4人で現場が進んでいきます。
週末は雨だという予報でしたが、快晴。よい天気に恵まれました。
白米を蒔き、お札(鎮物)をいただきました。鎮物は基礎工事前、家の中心となる部分、北向きに埋めます。
地縄はり作業が進んでいます。
墨付けから刻みまで2〜3ヶ月。大工棟梁の手刻みです。
吹き抜け部分の太鼓梁は継ぎ手無しの6m。5寸(150角)・7寸(210角)の柱で屋根+2階からかかる荷重をしっかりと支えます。更に、直交して渡り腮で水平力の力を支えています。
朝から真夏のような暑さで脱水・お疲れ気味。お休み返上で頑張っています。
2009年7月17日 基礎屋さんが入っています。
木の板が見えるのは「水盛りやり方」。
建物の位置、基礎の高さ、地盤の水平を出す重要なものです。各部分に図面上の通り芯が記してあります。
2009年7月24日配筋検査。
今日は夕方から住宅保障機構が運営する住宅瑕疵担保責任保険「まもりすまい保険」の第1回目の検査がありました。小雨が降る中、無事済みました。
地盤の保障や、基礎の立ち上がり鉄筋の径・ピッチまで細かく規定があります。

設計段階の手間も増え、施工者側の手間も増えますが、大切な住まいを保障してくれます。
また、設計者賠償保険に入っておりますのでダブルの保障になります。
基礎の中にこのように「地鎮祭」で納めたお札を一緒に打ち込みます。
いよいよ、来週はコンクリ打ちです。お盆前の上棟に向け、現場は順調に進んでいます。
2009年8月7日
現在の現場は型枠→コンクリ打ち→基礎立ち上りの基礎工事が終わり、土台が敷かれているところです。
基礎と柱を土台でしっかりと緊結されるので柱からの荷重を直接受けます。土台は建物全体の構造荷重を基礎に伝える重要な役割をしていますので耐久性のある丈夫な材、処理がされてないといけません。

この現場の土台は桧です。

今日は上棟させる前の足場を鳶の方が組んでいます。
しっかり組んで、大工さんや左官屋さん、板金屋さん等が安全な工事ができるようにしています。
私もこの足場には竣工間際まで毎週お世話になります。図面通りに施工されているか監理します。その為、2階へ上がる時や、屋根などを確認する際に登ったりします。
ご依頼から宅地開発申請〜設計を経て2年かけての竣工です。
設計(意匠・構造・設備・外構)・監理:アトリエきらら一級建築士事務所
施工会社(建物本体):株式会社 数寄屋建設  給排水設備工事:有限会社 尾崎設備(分離発注)
造園・外構アプローチ:緑風園 阿部源三郎(分離発注)

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